スプレッドシートの使い方|最初に覚える10のこと

執筆者:

カテゴリ:

スプレッドシートの使い方のイメージ

機能

スプレッドシートの使い方

Excel関数辞典

Googleスプレッドシートは、ブラウザで動く表計算ソフトです。Excelとほぼ同じことができ、加えて共有と同時編集に強いのが特徴です。

このページでは、最初に押さえておくと後が楽になる10項目に絞って解説します。

スプレッドシートの使い方の記事構成図
スプレッドシートの使い方:この記事で扱う内容
このページの中身(25項目)
  1. 1. Excelとの違い
  2. 2. 保存は不要、履歴は全部残る
  3. 3. 共有と権限
  4. 4. セルの参照とシートの参照
  5. 5. 絶対参照($)── 最初の壁
  6. 6. データの入力規則
  7. 7. 条件付き書式
  8. 8. フィルタと並べ替え
  9. 9. よく使うショートカット
  10. 10. 重くなったときの対処
  11. 次に読むもの
  12. 最初に覚えるべき操作
  13. 表として扱いやすい形にする
  14. 作業の流れを設計する
  15. 壊れにくいファイルにする
  16. 「機能」の関数を全体から見る
  17. 数式を書く前の手順
  18. どの関数でも共通する確認
  19. 引き継ぐときに残すこと
  20. このサイトの収録状況
  21. よくある質問
  22. まとめ
  23. 関連ページ
  24. Excelファイルを開いたときに崩れるもの
  25. オフラインで使う

1. Excelとの違い

まずここを理解しておくと混乱が減ります。

Excelスプレッドシート
保存自分で保存自動保存
同時編集制限あり標準機能
変更履歴限定的全履歴が残る
動作の速さ速い大量データで重い
関数ほぼ共通QUERY など独自関数あり
オフライン使える設定が必要

関数の9割は共通です。VLOOKUP SUMIF IF などはそのまま同じ書き方で動きます。

スプレッドシート独自の強力な関数として、QUERY FILTER ARRAYFORMULA IMPORTRANGE があります。これらを覚えると、Excelでは面倒だった処理が短く書けます。

2. 保存は不要、履歴は全部残る

編集は自動で保存されます。保存ボタンはありません。

そして「ファイル → 変更履歴 → 変更履歴を表示」で、いつ誰が何を変えたかが全部見られます。 過去の状態に戻すこともできます。

間違えても元に戻せる——これがスプレッドシートで最も安心できる点です。大きな変更をする前に、履歴に名前を付けておくとさらに安全です。

スプレッドシートの使い方の要点図
スプレッドシートの使い方

3. 共有と権限

右上の「共有」ボタンから設定します。権限は3段階です。

権限できること
閲覧者見るだけ
閲覧者(コメント可)コメントを付けられる
編集者編集できる

「リンクを知っている全員」に設定すると、URLを持つ誰でもアクセスできます。 社外に転送されると誰でも見られてしまうので、業務データでは「特定のユーザー」を推奨します。

編集させたくないけど数字は見せたい、という場合は「閲覧者」にしてください。

4. セルの参照とシートの参照

同じシート内なら、そのままセル番地を書きます。

=A1 + B1

別のシートなら、シート名と ! を付けます。

=Sheet2!A1

シート名にスペースが含まれる場合は、シングルクォートで囲みます。

='4月 売上'!A1

別のファイルを参照するには IMPORTRANGE が必要です。詳しくは 別シートからデータを取得する方法 にまとめています。

5. 絶対参照($)── 最初の壁

数式を下や右にコピーすると、参照も一緒にずれます。ずらしたくない部分に $ を付けます。

書き方動き
A1縦にも横にもずれる
$A1列は固定、行はずれる
A$1行は固定、列はずれる
$A$1完全に固定

F4 キー(Macは Fn + F4)で切り替えられます。

判断の仕方はシンプルです。

  • 下にコピーする → 行がずれてほしくないなら $ を行に
  • 右にコピーする → 列がずれてほしくないなら $ を列に

VLOOKUP の範囲や、集計表の見出し参照で必ず必要になります。

6. データの入力規則

「データ → データの入力規則」で、入力できる値を制限できます。

  • プルダウン(選択肢から選ばせる)
  • 数値の範囲
  • 日付の範囲
  • カスタム数式(重複禁止など)

表記ゆれを防ぐ最も確実な方法です。「東京」「東京都」「トウキョウ」が混在すると、SUMIF も COUNTIF も正しく動きません。入力時に弾くのが最も安上がりです。

詳しくは プルダウンの作り方 で扱っています。

7. 条件付き書式

「表示形式 → 条件付き書式」で、条件に合うセルの色を変えられます。

「カスタム数式」を使うと、行全体に色を付けられます。

=$D2 = "未処理"

列だけ $ で固定するのがポイントです。行を固定しないことで、各行が個別に判定されます。

期限切れを赤くするなら次の形です。

=AND($E2 <> "", $E2 < TODAY())

$E2 <> "" を入れているのは、空欄を期限切れと判定させないためです。これがないと未入力の行が全部赤くなります。

8. フィルタと並べ替え

「データ → フィルタを作成」で、列ごとに絞り込みができます。

注意点が1つあります。 フィルタで絞り込んでも、SUM は隠れた行も合計します。

表示中のデータだけ集計したいなら SUBTOTAL を使ってください。

=SUBTOTAL(109, C2:C1000)

複数人で使うファイルでは「フィルタ表示」を使ってください

通常のフィルタは全員に影響しますが、フィルタ表示は自分だけに適用されます。

9. よく使うショートカット

操作WindowsMac
今日の日付を入力Ctrl + ;⌘ + ;
絶対参照の切り替えF4Fn + F4
データの端まで選択Ctrl + Shift + ↓⌘ + Shift + ↓
行を挿入Ctrl + Alt + =⌘ + Option + =
値のみ貼り付けCtrl + Shift + V⌘ + Shift + V
検索と置換Ctrl + H⌘ + Shift + H

Ctrl + Shift + V(値のみ貼り付け)が最重要です。数式や書式を持ち込まずに値だけ貼れます。

Ctrl + ; も覚えてください

TODAY 関数は毎日値が変わるので、記録用の日付にはこちらを使います。

10. 重くなったときの対処

スプレッドシートは大量データで重くなります。効果の大きい順に挙げます。

  1. IMPORTRANGE を1箇所にまとめる — 同じファイルを何度も読まない
  2. 揮発性関数を減らす — TODAY INDIRECT OFFSET は再計算が頻繁
  3. 範囲を絞る — A:Z ではなく A:D
  4. 不要な行・列を削除する — 空でも計算対象になる
  5. 条件付き書式を減らす — 範囲が広いと重い

特に1番の効果が大きいです。読み込み専用のシートを1枚作り、そこに1回だけ IMPORTRANGE を書いてください。

次に読むもの

関数を覚えるなら、需要の多い順に次のあたりから始めるのが実用的です。

やりたいことから逆引きするなら 関数一覧 をご覧ください。


最初に覚えるべき操作

表計算を使い始めるとき、関数より先に覚えるべき操作があります。これらを知らないと、作業の速度が何倍も違います。

セルの移動と範囲選択のキー操作

データの端まで一気に移動する操作、そこまでを一気に選択する操作。マウスでスクロールするのと比べて、桁違いに速くなります。行数が数千あるシートでは、この差が決定的になります。

貼り付けの種類

通常の貼り付けのほかに、値だけ、書式だけ、数式だけ、行と列を入れ替えて、といった貼り付けがあります。数式をコピーしたら参照がずれた、という問題の多くは、値として貼り付ければ解決します。

参照の固定の切り替え

数式の中でセル番地を選び、キーを押すたびに固定の仕方が切り替わります。ドル記号を手で打つ必要はありません。

元に戻す操作

何段階も戻れます。試して駄目なら戻す、という進め方ができると、作業が大胆になります。

シートの複製

大きな変更をする前に複製しておけば、失敗しても戻れます。控えを取る習慣は、どんな技術よりも役に立ちます。


表として扱いやすい形にする

データの持ち方には型があります。この型に沿っていれば、集計も並べ替えも絞り込みも標準の機能で扱えます。

一行目は見出し、二行目からデータ

見出しは一行だけにします。二段の見出しは、人が読むには分かりやすいのですが、機能が正しく認識できません。

一列に一種類の情報

氏名と部署を同じ列に入れない。住所も、都道府県と市区町村以下は分けて持つ。分けておけば、後から連結できます。まとめて持つと、後から分けるのに手間がかかります。

空白行と空白列を作らない

見た目の区切りとして使いたくなりますが、範囲の認識が途中で止まります。区切りが必要なら、罫線や背景色で表現してください。

セルの結合を避ける

結合されたセルがあると、並べ替えも絞り込みも配列の処理も正しく動きません。見た目のために結合したいなら、表示用のシートを別に作ってください。

合計行を表の中に混ぜない

集計はデータの下ではなく、別の場所に置くか、明確に分けてください。混ざっていると、絞り込んだときに一緒に動きます。

この五つを守るだけで、後の作業がまったく変わります。


作業の流れを設計する

シートが増えてくると、どこに何があるか分からなくなります。最初に役割を決めておくと、迷いません。

推奨する構成は四段階です。

生データを置くシート

取り込んだままの状態で置き、触りません。何かおかしくなったとき、ここに戻れば原因を追えます。

整形するシート

空白の除去、型の変換、区切りでの分割。数式で処理し、結果を作業列として持ちます。

集計するシート

整形済みのデータを参照して、条件付きの集計を行います。

見せるシート

集計結果を、人が読みやすい形に整えます。ここだけは見た目を優先して構いません。

この構成にすると、取り込みのたびに生データを差し替えるだけで、以降が自動で更新されます。手作業の工程がなくなるので、作業漏れという事故が起きなくなります。

シートが四枚になることを嫌う人もいますが、一枚に詰め込むより、はるかに管理しやすくなります。使わないシートは非表示にできます。


壊れにくいファイルにする

自分以外の人が触るファイルは、壊れる前提で作ってください。

数式のセルは保護する

シート全体を保護して、入力欄だけを例外にします。数式を誤って上書きされる事故が防げます。

入力欄を明示する

背景色を変える、罫線で囲む。どこに入力すればよいかが一目で分かるようにします。

入力規則を設定する

プルダウンにする、範囲外の値を拒否する。表記のゆれと入力ミスを構造的に防げます。

数字を数式に埋め込まない

税率や基準値は、セルに置いて参照します。変更のときに数式を触らずに済みます。

検算の仕組みを入れる

件数の突き合わせ、合計の一致確認。数字がおかしくなったときに気づけます。

説明を残す

シートの上部に、このシートが何をしているかを一行書いておく。三か月後の自分にも役立ちます。

この六つを最初から組み込んでおくと、後から直す手間がなくなります。


「機能」の関数を全体から見る

機能は表そのものの扱いに関わる項目です。同じカテゴリの関数は、つまずく場所も似ています。この記事のほかに4本あります。

記事
スプレッドシートのチェックボックスの
スプレッドシートのプルダウンの作り方
スプレッドシートの共有設定
スプレッドシートの条件付き書式

このカテゴリで共通するつまずき

環境によって使えるものと使えないものがあります。1つで理解した内容は、同じカテゴリの他の関数にもそのまま使えます。

どれを使うかの決め方

共有先が決まっていないなら、対応範囲の広い方法を選んでください。関数の一覧を眺めて選ぼうとすると、どれも当てはまるように見えて決まりません。

迷ったときは

→ 全関数の一覧 に目的別の索引があります。


数式を書く前の手順

書き始める前に決めておくことがあります。ここが曖昧なまま書くと、途中で行き詰まります。

1. 出したい結果を一文で書く

「何を、どの条件で、どんな形で出したいか」。この一文が書ければ、関数はほぼ決まります。書けないなら、まだ要件が固まっていません。

2. 元データの型を確認する

環境によって使えるものと使えないものがあります。=ISNUMBER(A2) で数値かどうかを確認できます。見た目が同じでも、数値と文字列は別物です。

3. 空欄と0の扱いを決める

未入力なのか、実績が0なのか。表の意味が変わります。どちらとして扱うかを決めてから書いてください。

4. 条件の数を数える

共有先が決まっていないなら、対応範囲の広い方法を選んでください。将来条件が増える可能性があるなら、最初から複数条件に対応する形にしてください。

5. 共有先の環境を確認する

新しい関数は、古い環境で開くとエラーになります。社外に渡すファイルでは、この一点で選択肢が変わります。

6. 1行だけ書いて確認する

全行にコピーする前に、1行分の結果が正しいかを見てください。間違ったまま広げると、直す手間が増えます。


どの関数でも共通する確認

関数を問わず、結果がずれる原因は限られています。この5つを確認すれば、大半が解決します。

参照を固定したか

下方向にコピーする数式では、動いてはいけない参照を固定します。上の数行だけ見て判断しないでください。ずれは下のほうで表面化します。

範囲の行数が揃っているか

複数の範囲を渡す関数では、行数がずれると結果が狂います。エラーにならず値が返るため、気づきにくい種類の間違いです。

型が揃っているか

=ISNUMBER(A2)

数値として入っているかを判定します。システムから書き出したデータでは、これが原因のことが多くあります。

前後に空白が入っていないか

=LEN(A2)&" / "&LEN(TRIM(A2))

数が違えば、余分な空白が入っています。見た目では判別できません。

別の方法で検算したか

同じ数字を別の関数でも出して、突き合わせてください。1つの結果だけを見ても、正しいかどうかは判断できません。

最終行まで確認したか

一番下までスクロールして、結果を見てください。途中から値が変わっていないかを確認します。


引き継ぐときに残すこと

数式は動いていても、意図は残りません。渡す前に、次の点をシート内にメモしてください。3分で終わります。

何を出している数式か

一行で構いません。読めば分かると思っても、数か月後の自分には分かりません。

どの表を参照しているか

参照先のシート名と、更新の担当。別ファイルなら、その場所も書いてください。

該当しないときの扱い

空欄にしているのか、文言を出しているのか、エラーのまま残しているのか。書いていないと、受け取った側は空欄をデータなしと読みます。

触ってはいけない場所

列を挿入すると壊れる数式がある場合、必ず書き残してください。この一行があるだけで、引き継ぎ後の事故が大きく減ります。

使った関数の対応環境

新しい関数を使っている場合、古い環境では開けません。共有の範囲が広がる可能性があるなら、明記してください。

確定した期間は値にする

締めた月の集計は、値貼り付けにしてください。参照元を消しても壊れなくなり、ファイルも軽くなります。

このサイトの収録状況

現在、201本の記事をカテゴリ別に整理しています。関数名が分からない場合は、カテゴリから探してください。

カテゴリ記事数
目的別51本
集計47本
文字列31本
日付19本
検索・参照15本
条件15本
機能12本 ←この記事
配列・抽出10本
関数一覧1本

探し方の順番

関数名が分かっているなら検索窓から。やりたいことだけ決まっているなら「目的別」から。近い関数を比べたいなら、同じカテゴリの一覧から入ってください。

記事の構成

どの記事も、書式・実例・つまずきやすいところ・似た関数との使い分けを同じ順番で並べています。1本読めば、他の記事も同じ場所を探せます。


よくある質問

Q. 数式が文字列として表示されます

セルの表示形式が文字列になっているか、先頭にアポストロフィが入っています。表示形式を標準に戻してから入力し直してください。

Q. コピーしたら参照がずれました

相対参照になっています。固定したい部分にドル記号を付けてください。

Q. 並べ替えたら行がバラバラになりました

範囲の選択が正しくありません。表全体を選んでから並べ替えてください。

Q. 絞り込みが途中までしか効きません

途中に空白行があります。空白行を作らない持ち方に変えてください。

Q. ファイルが重いのですが

範囲を列全体で指定している数式、揮発性の関数、条件付き書式の適用範囲。この三つを確認してください。

Q. 元に戻せますか

何段階も戻れます。ただし、閉じた後は戻せません。大きな変更の前には複製を取ってください。

Q. Excelとスプレッドシートで違いはありますか

基本の操作はほぼ同じです。使える関数と、一部の挙動に違いがあります。

Q. どこから学べばいいですか

集計の四つの関数から始めてください。→ 関数一覧


まとめ

  • 保存は不要、履歴は全部残る。間違えても戻せる
  • 共有は「特定のユーザー」が基本。リンク共有は転送に注意
  • $(絶対参照)は F4 で切り替え。最初の壁だがここを越えると楽になる
  • 入力規則で表記ゆれを防ぐのが最も安上がり
  • フィルタ中の集計は SUM ではなく SUBTOTAL
  • 重いときは IMPORTRANGE と揮発性関数を疑う

関連ページ

Excelファイルを開いたときに崩れるもの

スプレッドシートは .xlsx をそのまま開けますが、すべてが同じには動きません。 受け取ったファイルを開く前に、どこが落ちるかを知っておくと事故が減ります。

Excel側の機能開いたときの挙動
マクロ(VBA)動きません。Apps Script への書き直しが要ります
ピボットテーブルおおむね変換されますが、書式は崩れます
条件付き書式のカスタム数式一部が落ちます。開いた後に確認が要ります
AGGREGATE などExcel専用の関数#NAME? になります
外部ブックへの参照#REF! になります

最後の2つは、開いた瞬間にエラーが並ぶので驚きます。 壊れたわけではないので、 #REF!エラーの直し方 を見て、参照を張り直してください。 関数の置き換え先は、各関数の解説にある「使える環境」の欄に書いています。

オフラインで使う

Chromeの拡張機能「Googleオフラインドキュメント」を入れ、 スプレッドシート側で「ファイル → オフラインで使用可能にする」を選びます。 編集内容は次に接続したときに同期されます。

ただし IMPORTRANGE や IMPORTHTML のような外部から取ってくる関数は、 オフラインでは更新されません。移動中に見るだけの資料なら、 値に変換したコピーを作っておくほうが確実です。