集計
AVERAGE関数の使い方・読み方
読み方:AVERAGE は「アベレージ」と読みます。(一般的な読み方です。公式に読み仮名の定めはありません)
AVERAGEは、指定した範囲の平均値を求める関数です。
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この記事の書式と対応環境の出どころ(2026-08-26 確認)
- Google スプレッドシート ヘルプ:公式の書式は
AVERAGE(値1, 値2)
https://support.google.com/docs/answer/3093615 - Microsoft サポート:AVERAGE 関数
https://support.microsoft.com/ja-jp/excel/functions/average-function
関数の仕様は追加・変更されることがあります。書式が合わないときは、上の公式ページで最新をご確認ください。
書き方は単純ですが、空欄と0の扱いを知らないと結果がずれます。この記事ではそこを中心に扱います。

書式
=AVERAGE(範囲1, [範囲2], ...)
基本の使い方
| A | |
|---|---|
| 1 | 80 |
| 2 | 90 |
| 3 | 70 |
=AVERAGE(A1:A3) → 80
離れた範囲もまとめて指定できます。
=AVERAGE(A1:A10, C1:C10)

空欄と0の違い
ここが最も重要です。
| A | |
|---|---|
| 1 | 80 |
| 2 | (空欄) |
| 3 | 70 |
=AVERAGE(A1:A3) → 75
空欄は「無かったこと」として扱われます。 2件で割られて75です。
一方、A2に 0 が入っていると結果が変わります。
(A2 = 0 の場合)
=AVERAGE(A1:A3) → 50
0は1件として数えられます。 3件で割られて50です。
「未回答」を空欄にするか0にするかで、平均が大きく変わります。未入力は空欄のままにしておくのが原則です。0を入れてしまうと、回答した人の平均が下がります。
数式が返した空文字に注意
=IF(A2="", "", A2*1.1)
このような数式の結果は、見た目は空欄ですが文字列です。 AVERAGEは文字列を無視するので、この場合は空欄と同じ扱いになります。
ただし、Excelでは範囲によってエラーになることがあります。安全に書くなら AVERAGEIF を使ってください。
=AVERAGEIF(A:A, "<>")
想定と合わない原因
1. 数値が文字列になっている
最も多い原因です
文字列は無視されるので、その分だけ件数が減り、平均がずれます。
確認する:
=COUNT(A2:A100)
COUNT が行数より少なければ文字列が混ざっています。セルが左寄せになっていないか見てください。
2. 0が入っている
上で書いた通りです。未入力に0を入れていないか確認してください。
3. 非表示の行も含まれている
AVERAGEはフィルタで隠れた行も計算に入れます。 表示中のデータだけで平均を出したいなら SUBTOTAL を使ってください。
=SUBTOTAL(101, A2:A100)
101 は「平均、非表示の行を除く」という意味です。
4. 外れ値に引っ張られている
平均は外れ値の影響を強く受けます。1件だけ極端な値があると、全体の平均が実感とずれます。
この場合は中央値を見てください。
=MEDIAN(A2:A100)
平均と中央値が大きく離れていたら、分布が偏っているサインです。売上や年収のように偏りが出やすいデータでは、中央値のほうが実態を表すことが多くなります。
両方を並べて出しておくのが実務的です。
条件付きの平均
条件を付けるなら AVERAGEIF / AVERAGEIFS を使います。
=AVERAGEIF(B:B, "東京", C:C)
=AVERAGEIFS(C:C, B:B, "東京", D:D, ">=1000")
エラーが混ざっているとき
範囲内に #N/A などがあると、AVERAGEもエラーになります。元のエラーを潰すのが基本です。
=IFERROR(元の数式, "")
"" を返せばAVERAGEは無視します。0 を返すと平均が下がるので、ここは "" にしてください。
Excelとの違い
AVERAGE・AVERAGEIF・AVERAGEIFS・MEDIAN はすべて共通です。書式も挙動も同じです。
Excelには AGGREGATE(エラーを無視して集計)がありますが、スプレッドシートにはありません。代わりに QUERY や FILTER を使います。
=AVERAGE(FILTER(C:C, B:B="東京"))
平均が実態とずれる三つの理由
平均は計算そのものは単純ですが、出てきた数字が実態を表しているとは限りません。集計結果を人に見せる立場なら、次の三つは押さえておく必要があります。
第一に、空欄とゼロの違いです。平均を求める関数は、空欄を計算から除外します。ゼロは数値なので計算に含めます。未回答を空欄で持っているか、ゼロで持っているかによって、平均はまったく変わります。アンケートの集計では、これが結果を左右します。未回答をゼロとして扱うのは、たいていの場合は誤りです。
第二に、数式が返した空文字の扱いです。見た目は空欄でも、中身は空文字という文字列です。これは数値ではないため計算からは除外されますが、環境によっては扱いが違うことがあります。安全のためには、そもそも空文字を返さない設計にするのが確実です。
第三に、極端な値の影響です。平均は外れ値に大きく引っ張られます。ほとんどが数千円の取引の中に一件だけ数百万円があれば、平均は実感とかけ離れます。この場合は中央値を併記するのが誠実です。平均と中央値が大きく離れているなら、分布が偏っている証拠になります。
集計表を作るときは、平均だけでなく件数と中央値も並べて出しておくと、読み手が誤解しにくくなります。
ゼロを含めるかどうかを設計で決める
平均を出す前に、ゼロをどう扱うかを決めてください。ここが曖昧なまま数式を書くと、後から数字の意味を説明できなくなります。
売上の平均を出す場合、売上ゼロの日を含めるかどうかで意味が変わります。含めれば「営業日あたりの平均売上」、含めなければ「売上があった日の平均売上」です。どちらも正しい指標ですが、別の指標です。
ゼロを除外したいなら、条件付きの平均関数でゼロより大きいという条件を指定します。あるいは、そもそもゼロを空欄で持つようにデータの持ち方を変える方法もあります。
逆に、空欄をゼロとして扱いたい場合は、合計を件数で割る形に書き換えます。この場合の件数は、空欄を含めた全体の件数です。
どちらの方針を採るにせよ、集計表の見出しに明記してください。「売上のあった日の平均」と書いてあれば、読み手は誤解しません。数字だけを出して解釈を任せると、必ず食い違いが起きます。
加重平均が必要な場面
単純な平均が使えない場面があります。数量が異なるものの平均を求めるときです。
たとえば、三つの店舗の平均単価を求めたいとします。各店舗の平均単価をさらに平均すると、販売数の少ない店舗と多い店舗が同じ重みで扱われます。これは実態を表しません。正しくは、全店舗の売上合計を全店舗の販売数合計で割ります。
同じことは、月ごとの達成率の平均でも起こります。件数の少ない月と多い月を同じ重みで平均すると、実態とずれます。
数量で重みを付けた平均を加重平均といいます。掛けてから足す関数を使うと、一つの数式で書けます。単価と数量を掛けて合計し、数量の合計で割る形です。→ SUMPRODUCT関数の使い方
平均を出すときは、「これは重みを考えなくていいのか」と一度自問してください。単位あたりの値を平均する場面では、たいてい加重平均が正解です。
平均に添えるべき数字
平均だけを示すと、読み手は判断を誤ります。集計表に一緒に出しておくと役に立つ数字がいくつかあります。
件数は必須です。平均が同じでも、三件の平均と三百件の平均では信頼度がまったく違います。件数がなければ、その平均をどれだけ信用してよいか判断できません。
中央値は、分布の偏りを示します。平均より大きく低ければ、少数の大きな値が全体を引き上げています。
最大値と最小値は、幅を示します。平均が同じでも、幅が広ければばらつきが大きいということです。
標準偏差まで出せば、ばらつきの程度が数値で分かります。ただし読み手が統計に慣れていない場合、かえって混乱させることもあります。相手を見て決めてください。
集計表の設計としては、件数、平均、中央値、最大、最小の五つを並べておけば、たいていの用途で足ります。列が増えることを嫌う場合でも、件数だけは必ず添えてください。
平均を見せるときの伝え方
集計結果を人に見せる立場なら、数字だけでなく前提も一緒に伝える必要があります。平均は特に誤解されやすい指標です。
見出しに条件を書いてください。「平均単価」では不十分です。「売上があった日の平均単価」「税抜の平均単価」「全店舗の加重平均単価」。何をどう平均したのかが分かる見出しにします。
件数を併記してください。三件の平均と三百件の平均では、意味がまったく違います。件数がなければ、その平均をどれだけ信用してよいか判断できません。
期間を明記してください。いつからいつまでのデータなのか。集計の基準日はいつなのか。同じ表を後から見返したときに、自分でも分からなくなります。
外れ値の扱いを説明してください。極端な値を除いているなら、その基準を書きます。除いていないなら、中央値も併記して分布の偏りが分かるようにします。
未入力の扱いも明記してください。空欄を除外しているのか、零として扱っているのか。この違いで数字は大きく変わります。
数字だけを出して解釈を相手に任せると、必ず食い違いが起きます。前提を書くのは、相手のためというより、後で自分が説明を求められたときのためです。
集計表の標準構成
平均を含む集計表を作るとき、載せる項目を決めておくと迷いません。実務で使いやすい構成は次のとおりです。
件数、合計、平均、中央値、最大、最小。この六つを並べます。列が増えることを嫌う場合でも、件数だけは必ず入れてください。
区分ごとに集計する場合は、区分を行に並べ、この六つを列に並べます。条件付きの集計関数を、区分のセルを条件にして書けば、一行分の数式をコピーするだけで完成します。
最終行に全体の集計を置きます。区分ごとの件数を合計して、全体の件数と一致するかを確認する検算にもなります。
該当がない区分では、平均がエラーになります。エラー回避の関数で包み、該当なしという表示にしてください。零を返すと、平均が零であるかのように見えます。
この構成にしておけば、どの区分が多いのか、ばらつきが大きいのはどこか、といった判断が一目でできます。平均だけを並べた表より、はるかに情報量が多くなります。
「集計」の関数を全体から見る
集計は数値をまとめる関数群です。同じカテゴリの関数は、つまずく場所も似ています。この記事のほかに48本あります。
このカテゴリで共通するつまずき
空欄と0の扱いが結果を左右します。未入力を0で埋めると平均が下がります。1つで理解した内容は、同じカテゴリの他の関数にもそのまま使えます。
どれを使うかの決め方
条件の数で使う関数が変わります。将来増えるなら複数条件に対応する形にしてください。関数の一覧を眺めて選ぼうとすると、どれも当てはまるように見えて決まりません。
迷ったときは
→ 全関数の一覧 に目的別の索引があります。
数式を書く前の手順
書き始める前に決めておくことがあります。ここが曖昧なまま書くと、途中で行き詰まります。
1. 出したい結果を一文で書く
「何を、どの条件で、どんな形で出したいか」。この一文が書ければ、関数はほぼ決まります。書けないなら、まだ要件が固まっていません。
2. 元データの型を確認する
空欄と0の扱いが結果を左右します。未入力を0で埋めると平均が下がります。=ISNUMBER(A2) で数値かどうかを確認できます。見た目が同じでも、数値と文字列は別物です。
3. 空欄と0の扱いを決める
未入力なのか、実績が0なのか。表の意味が変わります。どちらとして扱うかを決めてから書いてください。
4. 条件の数を数える
条件の数で使う関数が変わります。将来増えるなら複数条件に対応する形にしてください。将来条件が増える可能性があるなら、最初から複数条件に対応する形にしてください。
5. 共有先の環境を確認する
新しい関数は、古い環境で開くとエラーになります。社外に渡すファイルでは、この一点で選択肢が変わります。
6. 1行だけ書いて確認する
全行にコピーする前に、1行分の結果が正しいかを見てください。間違ったまま広げると、直す手間が増えます。
どの関数でも共通する確認
関数を問わず、結果がずれる原因は限られています。この5つを確認すれば、大半が解決します。
参照を固定したか
下方向にコピーする数式では、動いてはいけない参照を固定します。上の数行だけ見て判断しないでください。ずれは下のほうで表面化します。
範囲の行数が揃っているか
複数の範囲を渡す関数では、行数がずれると結果が狂います。エラーにならず値が返るため、気づきにくい種類の間違いです。
型が揃っているか
=ISNUMBER(A2)
数値として入っているかを判定します。システムから書き出したデータでは、これが原因のことが多くあります。
前後に空白が入っていないか
=LEN(A2)&" / "&LEN(TRIM(A2))
数が違えば、余分な空白が入っています。見た目では判別できません。
別の方法で検算したか
同じ数字を別の関数でも出して、突き合わせてください。1つの結果だけを見ても、正しいかどうかは判断できません。
最終行まで確認したか
一番下までスクロールして、結果を見てください。途中から値が変わっていないかを確認します。
引き継ぐときに残すこと
数式は動いていても、意図は残りません。渡す前に、次の点をシート内にメモしてください。3分で終わります。
何を出している数式か
一行で構いません。読めば分かると思っても、数か月後の自分には分かりません。
どの表を参照しているか
参照先のシート名と、更新の担当。別ファイルなら、その場所も書いてください。
該当しないときの扱い
空欄にしているのか、文言を出しているのか、エラーのまま残しているのか。書いていないと、受け取った側は空欄をデータなしと読みます。
触ってはいけない場所
列を挿入すると壊れる数式がある場合、必ず書き残してください。この一行があるだけで、引き継ぎ後の事故が大きく減ります。
使った関数の対応環境
新しい関数を使っている場合、古い環境では開けません。共有の範囲が広がる可能性があるなら、明記してください。
確定した期間は値にする
締めた月の集計は、値貼り付けにしてください。参照元を消しても壊れなくなり、ファイルも軽くなります。
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| カテゴリ | 記事数 |
|---|---|
| 目的別 | 51本 |
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| 日付 | 19本 |
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よくある質問
Q. 空欄は計算に含まれますか
含まれません。ゼロは含まれます。この違いが結果を左右します。
Q. 文字列が混ざっているとどうなりますか
無視されます。ただし、数値として扱われるべき値が文字列として入っていると、その分だけ件数が減り、平均が変わります。
Q. ゼロで割ったというエラーが出ます
対象となる数値が一つもありません。範囲の指定が間違っているか、すべてが文字列として入っています。
Q. 条件を付けて平均を出したいのですが
条件付きの平均関数があります。書き方は条件付きの合計関数と同じです。→ AVERAGEIF関数の使い方
Q. 上位と下位を除いた平均は出せますか
外れ値を除いた平均を求める関数があります。ただし除外する割合を指定する必要があり、恣意的になりやすい点には注意してください。
Q. 非表示の行を除きたいのですが
小計の関数で平均を指定すると、表示されている行だけが対象になります。→ SUBTOTAL関数の使い方
Q. 平均を四捨五入したいのですが
丸めの関数で包んでください。表示形式を変えるだけでは、内部の値は変わりません。
Q. 中央値も出せますか
中央値を求める関数があります。平均と並べて出しておくと、分布の偏りが分かります。
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まとめ
- 書式は
=AVERAGE(範囲) - 空欄は無視、0は1件として数える。未入力に0を入れない
- 文字列は無視されるので、混ざっていると平均がずれる
- フィルタ中の平均は SUBTOTAL
- 平均と中央値を並べて見ると、分布の偏りに気づける